発達障がい児への支援について質問—第3回定例会一般質問

2018年10月4日 00時11分 | カテゴリー: 活動報告

岡山県学童保育連絡協議会がまとめた実践報告や書籍。「おかえり」には、周りが気になって宿題ができない子どもには、視覚、聴覚への刺激を少なくする間仕切りを設けた事例、目の前のことしか意識できない子どもには、次にやることをひと目でわかるようにホワイトボードに書いて、行動しやすくした事例など、子どもたちの困りごとを応援するためのヒントが、わかりやすく紹介されている

9月13日(木)に行った、第3回定例会での一般質問の概要です。

全国に広がっている学童保育と作業療法士との連携

2005年の発達障害者支援法の施行から10年以上が経過し、「発達障がい」という言葉は広く知られるようになった。この法律では、発達障がいは、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であり、その症状が通常低年齢で発現するもの」と定義されている。

当区における発達支援相談件数は、2011年に325件だったものが、2017年には2,673件と8倍以上に増加、すこやか福祉センターが把握している発達支援対象児童も、2011年に1,107人だったものが、2017年には2,157人と2倍近くまで増加しており、発達が気になる児童、発達に支援を要する児童が増えている。

今年1月、日本弁護士連合会主催のシンポジウム「子どもの貧困と学童保育」に参加して、発達障がい児の支援に取り組む、先進的な実践のお話を聞いた。遊びと生活の場である学童保育を作業療法士が訪問し、対象児童を観察して支援方法を提案、それを現場の職員が実践し、その後作業療法士がフォローアップする、というもの。事業は2017年から、岡山県学童保育連絡協議会と備中県民局との恊働事業として始まったもので、この学童保育と作業療法士の連携事業が今、全国に広がっている。

当区の学童クラブにおける、特別な支援を必要とする児童の受け入れ状況は、2018年4月1日現在、在籍児童1,775人のうち、特別支援児童は228人で約13%、特別支援児童に対して配置する職員数は、増加傾向にある。そういう中で、学童クラブで働く方から、特別支援児童への対応は他の児童とのトラブル回避のための見守りが中心になっているが、特別支援児童への対応の仕方を知っていれば、子どもの生活の場でもある学童クラブでもっとできることがある、との声を聞いた。確かに特別支援児童に対する職員の配置基準は、本人や他の児童の安全確保に注目して配置すると定められており、主たる役割は児童の安全確保、見守りとなっている。

——当区の学童クラブにおいて、特別な支援を要する児童への対応について、どのような課題があると考えているか。

答弁 子どもの特性や発達の問題を的確に把握し、対応するためには、職員には高いスキルが必要になってきていると考えている。

発達障がい児などの問題と言われる行動には、文房具がうまく使えないなどの運動機能の問題、触られることや音を極端に嫌がる感覚調整機能の問題、一度に二つのことを指示されるとキャッチできない情報処理の問題などの要因があると言われる。こうした要因を踏まえて、問題と言われる行動に対し、どうしてそのような行動をとるのかを考え、行動面からアプローチする作業療法は、子ども同士のトラブルや保護者の「困った」をこれまでとは違う視点からとらえるもの。2年前に岡山から始まった学童保育と作業療法士との連携事業は、学童保育だけでなく、自立援助ホーム、乳幼児支援を実施するNPOなどでも実践が行われ、成果をあげている。

——当区でも、発達障がいなど配慮を要する児童支援に関わる人たちと作業療法士との連携を進めていくことが必要だと考える。区の見解を伺う。

答弁 心理職や作業療法士など、さまざまな専門職が連携し、それぞれの専門性を生かした支援を促進していく。

ひとり親家庭への居住支援について

子どもの貧困が社会的な問題として認知され、学習支援や子ども食堂などの取り組みが広がっている。子どもの貧困は、ひとり親家庭に多いことが知られているが、ひとり親家庭の約9割は母子世帯。こうした状況から、子どもの貧困を減らす施策の一つとして、ひとり親家庭への居住支援が有効だと考える。

2017年10月、「新たな住宅セーフティネット制度」がスタートした。高齢者、子育て世帯、障がい者、被災者など、住宅の確保が困難な住宅確保要配慮者に対し、空家や空き室を活用して、住宅セーフティネット機能を強化するもので、この制度には、住宅の確保が困難な人の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度、登録住宅の改修費や家賃低廉化の補助などが盛り込まれている。この家賃低廉化補助制度を活用して、世田谷区では6月から、ひとり親家庭への居住支援をモデル事業として始めている。

——当区では「新たな住宅セーフティネット制度」にどのように取り組んでいくのか。

答弁 居住支援協議会の設立や、セーフティネット住宅の登録促進に向け、賃貸住宅所有者や不動産事業者への周知や情報提供を進めていく。

登録制度はできたものの、セーフティネット住宅への登録は、昨日9月12日現在、中野区での登録はない。杉並区、世田谷区では、住宅に困っているひとり親家庭に対し、区営住宅の抽選番号を複数発行して、当選しやすくする優遇抽せん制度がある。

——まずは、自治体の意思で取り組める支援として、区営住宅にひとり親家庭が入居しやすいしくみをつくってはいかがか。

答弁 区営住宅運営等の課題を整理し、ひとり親家庭等が入居しやすいしくみについても検討していく

今後進められる空き家の活用においても、ひとり親家庭に対し、家賃の補助や優遇制度など、工夫が必要だと考える。

——子育て世帯と空き家のマッチングにおいても、ひとり親家庭が入居しやすいしくみを念頭においた制度設計が必要だと考える。見解を伺う。

答弁 空き家を始めとした区内の住宅ストックの中から適切な物件を効率よく探し出し、入居できるようなしくみづくりを考えていきたい

*ひとり親世帯への実態調査実施を要望

世田谷区は「世田谷区子ども計画」の策定にあたって「ひとり親家庭アンケート調査」を実施し、家計を圧迫している支出として住居費をあげている世帯が約半数あるという調査結果から、ひとり親家庭への居住支援につなげています。ひとり親家庭に対して実効性ある施策につなげるためには、当区においても何に困っているのかの実態把握が必要だと考えます。ひとり親世帯への実態調査実施の検討を要望して、質問を終わりました。