「ともに生きる社会をめざして」やまぼうしスタディ・ツアー

やまぼうし理事長・伊藤勳さんから、先進的な取組みのお話をお聞きしました

やまぼうし理事長・伊藤勳さんから、先進的な取組みのお話をお聞きしました(グループホームげんの建物の中にある、カフェ畑れんげで)

さまざまな事業創造にチャレンジ

1月16日(月)、障がいのある人たちの多様な居住の場と働く場づくりの具現化を進めてきた、日野市に本部を置く「認定NPO法人やまぼうし」のスタディ・ツアー(生活者ネットワーク福祉部会主催)に参加しました。グループホーム(5か所)、就労移行支援事業所、就労継続支援A型、B型事業所、生活介護など16の事業所を経営するやまぼうしは、「障がい者とともに生き・働く場づくり」と「自然と人との共生」をミッションに、さまざまな事業を創ってきました。実践の数々は1日かけてもまわりきれないほどで、忙しいツアーでしたが、バスの中で聞いた、理事長・伊藤さんのお話にも得るところがいっぱいで、大変有意義なツアーでした。

ツアーのコース ①グループホーム「ののか」→②日野市健康支援市民センター(ディーセントワーク平山台)→③ユギムラ体験市民農園→④首都大学エーコンカフェ→⑤法政大学エッグドーム食堂→⑥風の丘農園→⑦せせらぎ農園(生ゴミ堆肥化活用市民農園)→⑧里山耕房くらさわ(生活介護事業所)→⑨日野市障害者生活就労支援センター「くらしごと」→⑩グループホームげん&カフェ畑れんげ→アンテナショップクプリ

廃校になった小学校舎のお給食室を使ってグループホームの食事やお弁当をつくっています

廃校になった小学校舎の給食室で、グループホームの食事やカフェで販売するお弁当などをつくっています

地域住民が恊働で廃校活用

ディーセントワーク平山台は、就労継続支援A型事業所。廃校になった小学校舎を活用して、住民の方々によって自主運営されている日野市健康支援市民センターの中にあります。住民の方々の声で校舎の活用が決まったこともあってか、スポーツや文化活動などに活発に利用されています。

入口にはやまぼうしがやっているベーカリーもあって、注文に応じてパンをつくっています。併設のカフェ「やまぼうし 平山台」がとてもおしゃれにできていて、見学した場所に共通する点ですが、センスの良さが光っていました。

 

 

ユギムラ体験市民農園。苗と作ったり、種を蒔いたり、草取りをしたりと、仕事は年間を通して

ユギムラ体験市民農園。苗を作ったり、種を蒔いたり、草取りをしたりと、仕事は年間を通してあります

 

農福連携での、働く場づくり

酪農家や農家が減少する中で、牛舎などの施設や農地を借りて、イベントスペースとして貸し出したり、体験農業をしたり、グループホームの入所者が堆肥や野菜を作ったりと、酪農家や農家にとっても、市民にとっても、やまぼうしにとっても、それぞれにメリットのある利用で障がい者の働く場をつくっています。やまぼうしの職員の方曰く、「畑に出ると、人との距離が近すぎず、自分のペースで仕事ができる。大声を出しても気にならない」。建物の中での仕事とはまた違った良さもあるようです。

畑で収穫した野菜は、地元の大学などで運営するカフェで利用したり、アンテナショップで販売したりしています。

「重度障がい者が地域で生きる」ことが、社会的には考えられなかった時代から、ならば自分たちでつくろうと始まったやまぼうしの実践。伊藤さんはこの活動を、「誰かのためでなく、一人のために、住みやすい、働きやすい場をどう作るか、を考えてやってきた」と言っていました。案外足もとに、住む場所も働く場所もあるんだよ、とも。

やまぼうしは積極的に助成金にも応募しているそうで、それは公的な給付金だけに頼ると政策に影響されるので、自前で資金力をもつことも必要だと考えるからです。これまでにいくつかの助成金を受けているそうですが、その理由は、他の人がやらないことをやっているから、ということでした。今回はかなりタイトな見学だったので、もう少しじっくりと一つひとつを見て、お話をお聞きしたいなと、次への期待が膨らみました。

ツアーの最後に寄ったアンテナショップ、クプリ。豊田駅北口すぐの場所にあります。店頭には畑で収穫された野菜が並んでいて、とてもおいしそうでした

ツアーの最後に寄ったアンテナショップ、クプリ。豊田駅北口すぐの場所にあります。店頭には畑で収穫された野菜が並んでいて、とてもおいしそうでした