初めての一般質問は「空き家活用と災害時のトイレ対策について」

中野区区議会第2回定例会が6月22日〜7月7日まで開催されました。私にとっては初めての議会。一般質問では、選挙前に区内を歩いて空き家の多さに驚いたこと、5月26日に「空き家対策特別措置」が全面施行になったことから、空き家の有効活用についてと、中野・ネットが継続して取り組んでいる「防災」から、災害時の要配慮へのトイレ対策について質問しました。

空き家対策については、区長から前向きな答弁がありました。トイレ対策についても、質問にはなかった、紛争時や災害時の人道的対応の国際基準である「スフィア基準」を参考資料として検討していきたいというコメントがあり、傍聴していたネットメンバーも終了後に控え室に来て喜んでくれました。

地域の課題を解決するための空き家活用について(質問と答弁要旨)

Q 5月26日、空家対策特別措置法が全面施行されました。「空き家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針」には、空き家等対策計画や、この計画を作成するための「協議会」の設置などが書かれています。区としてこの法律をどうとらえ、今後どのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか。

A より実効性のある空き家対策の取組を早急に整備し、区の空き家対策計画の策定を進める。総合的な空き家対策の推進にあたり、地域住民や建築、不動産関係者の協力が不可欠であり、具体的な調査や計画の策定を検討する協議会の設置を検討する。

 Q 昨年、空き家対策特別措置法が制定されて以降、当区において、これまで空き家対策としてどことどこの分野が関わり、どのような検討を進めて来られたのでしょうか。空き家は利活用まで考えますと、専門で担当する所管を置いて、他の関連所管と連携を図りながら、様々な検討がされるのが望ましいと考えますがいかがでしょうか、併せて伺います。 

A 区の総合的な空き家対策の検討についてはこれまで、政策室が中心となり、特定空き家の指導から空き家相談体制、利活用の促進までの総合的な取組としていくため、関係課長会を組織させ区の進め方について検討してきた。法の制定に伴い、早急により実効性のある空き家対策を取組所管を明確にしながら、庁内連携によって対応していく。  

 Q 空き家対策に対する区の考え方についておたずねします。私どもの仲間に、実際に空き家を活用して、高齢者や子育て中のお母さんなどだれもが立ち寄れる居場所づくりをしている人たちがいます。当区におきましても今後、学童保育の待機児童対策として、密集地域でのポケットパークや防災施設として、グループホームや子育て支援の拠点、シェアハウス、NPOの共同事務所など、有効な活用ができるのではないかと考えます。区が基本構想に掲げる「支え合い安心して暮らせるまち」実現のための、支え合いの地域づくりの居場所や拠点として、空き家を積極的に活用できるようにするべきと考えますが、いかがでしょうか。

 A  空き家を新たな地域の交流の場、住まいなどとして再生させていくことは、地域活性化につながるための方策ともなり得る。また、必要なケアが届けられる仕組みを構築すれば、見守りが必要な高齢者などが安心して生活できる可能性もあると考えている。空き家の既存ストックは貴重な資源であり、空き家の適切な管理を指導するのみでなく、リノベーションを行うことなどにより、活用できるものについては有効に活用する総合的な空き家対策として検討を進めていく。

Q 区はこれまで、他の自治体の条例や空き家対策について調査や情報収集などを行ってこられたと伺っておりますが、どのようなことがわかったのでしょうか。

 A 危険な家屋への勧告の措置、子育て世帯等の住み替え用、コミュニティ施設、跡地のポケットパーク的な利活用などが見られた。地方においては移住前提の整備や空き家バンクの設置などによって利活用の促進を実施している事例も承知している。

Q 現在の第3次住宅マスタープランは、対象期間が2009年度から2018年度であること、来年3月に中野区基本構想が改定予定であることから、見直しの時期が迫っています。現行の第3次住宅マスタープランには空き家対策に該当する項目がありません。第4次住宅マスタープランにはぜひ、地域貢献の利活用まで含めた空き家対策を位置づけるべきと考えますが、区の見解を伺います。

A 住宅マスタープランの改定にあたっては、区としての空き家対策を検討する中で、位置づけについても考えていきたい。

 災害時における要配慮者へのトイレ対策について

Q  災害時に要配慮者へのきめ細かい配慮を行うためには、当時者のニーズを汲み取ることが重要だと考えます。地域防災計画の策定や避難所運営マニュアルの作成において、要配慮者の方たち、たとえば障がい者団体や小さいお子さんがいるご家庭、在宅介護サービス事業者や女性団体、日本語がまだ上手ではない留学生などの声を区としてどのように把握され、反映されたのでしょうか。

A 障害者団体との意見交換の場や地域団体との連絡会などで直接意見を聞いている。外国人から直接意見を聞く機会は持っていないが、災害協定を結んでいる国際交流協会から意見を聞いている。

Q 避難所、広域避難場所での男女用のトイレの比率についておたずねします。平常時においても、駅や空港、劇場などの女性トイレは、長蛇の列ができます。災害時においては特に、男女のトイレの比率についての配慮が必要だと考えます。被災者支援はどうあるべきかの参考になる基準として、災害時や紛争時の人道的対応に関する最低基準をまとめた「スフィア基準」があります。これは、人道支援の向上を目的とする国際基準で、トイレの男女の比率は男性1に対して女性3が望ましいとされています。避難所において、災害用トイレの男女の比率はどのように配備されているのか伺います。

A 災害用トイレは男女の区別に配慮して設置することとしている。避難所の男女比を事前に予測することは困難なため、比率はその場の状況で判断。スフィアハンドブックは、避難所運営における参考資料の一つとしていきたいと考えている。