日本初! ダウン症児専門の学習プログラムを導入した放課後デイサービス

人生を楽しめる子どもにしたい

左端が矢作さん、左から3人目、5人目は杉並区議の曽根文子さん、奥田まさこさん

7月31日(月)、杉並区阿佐ヶ谷にある児童発達支援 放課後等デイサービス「バンブーワァオ」を見学しました。お話をお聞きしたのは事業責任者の矢作桂子さん。矢作さんは10年間アメリカで過ごした経験を持ち、2人のお子さんがいます。

バンブーワァオは、日本で初めてダウン症児専門の学習プログラムを導入した多機能施設で、対象は0歳から18歳。障がいを持つ子どもはそれぞれ個性があり、障がいの特性に合わせた発達訓練が必要ではないかと、ダウン症のある子供たちの教育に効果があると証明されているアメリカのプログラムのライセンス契約を締結し、2016年にバンブーワァオを設立しました。登録者は約100名で、都内だけでなく神奈川県や茨城県から通っている子もいます。矢作さんは、子育てに答はないからみんなで助け合って情報を交換して、よりよい子育てをしましょう、と呼びかけています。

友人関係に恵まれる特別支援学級、ストレスに強い子ができる通常学級

矢作さんのお話は様々な体験を通した切実なものばかりでどれもひきこまれましたが、中でも特に印象に残ったのが、特別支援学級は同じような子どもたちがいるので友人関係には恵まれるけれど、社会に出た後は環境の違いでうつになる子が多い、通常学級に通う子は、友人関係にはあまり恵まれないけれど、卒業後はストレスに強い子になる、という言葉でした。友だちか社会性かの「どちらか」ではなく、「どちらも」が当たり前になる、そんな環境作りの必要性を改めて認識しました。

赤はどんな音? ドかな? カラーストーンに乗ると音が出ます

バンブーワァオのプログラムは、家庭でも実践して学習効果を上げるように組まれています。人生を楽しめるような子どもを送り出したい、そのために、体力をつける、コミュニケーションをとれるようにする(コミュニケーションは言葉だけではない)、きちんとした身なりができる、こうした「生きるスキル」を身につけることが大切だと強調されていました。

見学する前、私は、どうして送迎がないのか疑問でしたが、「電車やバスに乗る機会がほとんどないので、学校(家)からここに通ってくることが社会経験になるんです」という矢作さんの言葉に、18歳までの限定された時間だけでなく、人生という長い時間軸で子どもと関わっている奥深さを感じました。