「グリーンインフラの推進を」第3回定例会一般質問(9・13)
自然の力を賢く使ったまちづくり
2015年度に閣議決定された国土形成計画、第4次社会資本整備重点計画では、「国土の適切な管理」「安全・安心で持続可能な国土」「人口減少・高齢化等に対応した持続可能な地域社会の形成」といった課題への対応の一つとして、グリーンインフラの取組を推進することが盛り込まれました。
グリーンインフラの定義については様々な議論がありますが、国土交通省は次のように整理しています。「社会資本整備や土地利用等のハード・ソフト両面において、自然環境が有する多様な機能(生物の生息・生育の場の提供、良好な景観形成、気温上昇の抑制等)を活用し、持続可能で魅力ある国土づくりや地域づくりを進めるもの」。つまり、自然の力を賢く使った社会資本整備や土地利用の計画、ということです。国土交通省は、グリーンインフラの多様な効果として、防災・減災、地域振興、環境をあげています。
① そこでお尋ねします。国が取組みを推進しているグリーンインフラの、防災・減災、地域振興、環境それぞれへの効果について、区はどのようにとらえておいででしょうか。
「緑化の推進で経済効果が得られる」研究も
今年4月、日本政策投資銀行などが、自治体が都市の緑地化を進めた場合の経済価値を算出した結果をまとめた、との報道がありました。神田川上流域約23ヘーホーキロメートルを対象に、緑地の増減に応じた浸水規模と被害額を試算したところ、緑化を進めた場合、浸水する建物が減少し、100億円超の経済効果が得られたと報告されています。大型の下水設備などの老朽化が進むなか、グリーンインフラをうまく活用することで、都市の防災機能を高めたり、インフラ整備の財政負担を抑制できることから、自治体への提言を行っていくということです。
コンクリートに象徴される従来型のグレーインフラが、安全性、利便性を優先してきたのに対し、グリーンインフラはこれらに加え、アメニティを高める効果など、自然の力が持つ多機能性が期待されています。都市部では、緑化、公園・緑地、庭、農地、道路、河川などでのグリーンインフラが考えられます。グリーンインフラは、個人の庭から大規模な都市開発まで、その応用範囲は広く、グレーインフラを補完するものとして、大いに期待するところです。
当区では、2009年策定の現都市計画マスタープラン第2章、全体構想の中で、グリーン・インフラによる地球環境にやさしい都市づくりとして、主にみどりの保全・育成を打ち出しています。
② 当区の都市計画マスタープランに描かれたグリーン・インフラと、国が推進しているグリーンインフラの違いは何でしょうか。
③ また、国が計画の中にグリーンインフラの推進を位置づけた今、区としてどのように取り組んでいくのか伺います。
公園はもとより、道路や住宅地などまちのわずかなスペースにもレインガーデンや緑地が整備され、雨水の循環と生物多様性が実感できる、すなわち、まち全体が環境学習の場となっている。近い将来、中野区がグリーンインフラの先進自治体とよばれる、そんな姿を想像しながら、質問をしました。