23年前の、あの日

1995年1月17日。23年前のあの日、私は川崎市に住んでいました。東急田園都市線に乗って都内の職場に通勤する毎日。地震が起きた午前5時46分はまだ眠りの中にいて、7時頃目を覚ましました。テレビのニュースを流しながら出かける支度をするのが習慣で、あの日もいつものようにテレビのスイッチをいれましたが、画面に映る映像に言葉を失いました。切断された高速道路にバスが中吊りになっているのです。

事態を理解しようとテレビに釘付けになり、神戸のあたりでとても大きな地震が起きていたことを知りました。まず頭に浮かんだのは、大阪に住む友人一家のこと。すぐに電話をかけました。何回コールしたのかわかりませんが、とても長い時間に感じたことだけは覚えています。友人の声が聞こえた瞬間、本当にほっとしました。家族全員の無事を確認した時点で私の頭の中は真っ白になったようで、電話の向こうで友人が地震が起きた時のことを話しているのに、目はテレビを追い、その言葉は遠くで聞こえているようでした。

23年前の◯月日、あなたは何をしていましたかと聞かれても、普通は答えることはできません。でも、1月17日は、多くの人の心に、どんな1日だったかが刻まれているはずです。6,434人の方々が亡くなった地震が起きた日。1995年1月17日。今を生きる私たちにできるのは、あの日、顔も知らない人たちの無事を祈った思いと、教訓をいかして、生きていくことではないかと思います。