議会で女性が増えたら、こんな変化が…(パリテカフェ in 中野)
4月7日(日)、議会での男女同数を目指す市民の活動「パリテカフェ in 中野」が開催されました。
トークセッション——私は、今回の中野区議会議員選挙に立候補を予定している5人の女性たちとトークセッションに登壇し、「中野という街における女性の生きづらさ、自治体が取り組むべき課題」についてお話しました。与えられた時間は5分間、大急ぎで話したのは以下の3点です。
「男は仕事、女は家庭と仕事」の新たな性別役割分業
東京・生活者ネットワーク「ジェンダー問題プロジェクト」が昨年実施した「東京に暮らす女性たち」の調査報告概要を資料として配布しましたが、詳細の報告は時間の関係でできなかったので、20年前に専業主婦世帯と共働き世帯が逆転するなか、「男は仕事、女は家庭」から「男は仕事、女は家庭と仕事」の新たな性別役割分業が生み出されていることを簡単に報告しました。
23区で唯一、拠点施設としての「男女共同参画センター」がない中野区
次に、ジェンダーに関する中野区の特徴としては、23区で唯一、拠点施設としての「男女共同参画センター」がないことを問題だと捉えていますと発言すると、会場からは「えっ、センターがないのですか?」と驚きの声も聞こえました。拠点施設がないことで、女性が社会の中で抱くモヤモヤした思いを話す場、相談する場がないこと、女性同士の交流、市民活動への支援が拠点施設があった頃に比べ後退しており、女性の生きづらさになっているのではないかというお話をしました。
女性議員が増えることで「価値観が変わる」ことを期待
最後に、女性議員が増えることでどのような変化があるのか? 私は現在の価値観が変わるのではないかと期待しています。現中野区議会の男女の比率は約8対2。参議院と同じ比率です。こうした現状をご紹介しつつ、女性議員が増えることで会派政治に横串をさし、政策を共通のテーマに会派を越えて取り組んでいくことができるのではないかと、私自身の希望に触れて、お話を終えました。
申キヨン准教授の講演——続いて、トークセッションを受けてのグループディスカッション、申キヨンお茶の水女子大学准教授による「議会で女性が増えたらどうなる? 諸外国の女性の政治参画」がテーマの講演がありました。
議員になるまでの壁
女性議員はなぜ少ないのか。それにはいくつかの壁があります。
自信の壁=女性は自己評価が低い 家族の壁=支援得られにくい 政党の壁=女性は擁立されにくい 選挙制度の壁=小選挙区は女性に不利 選挙運動の壁=メディアのジェンダー・ステレオタイプ 有権者の壁=有権者のジェンダー・ステレオタイプ
女性議員の増加は議会や立法の変化を促す
これまでの諸外国の事例から、女性議員の増加によって起こる変化について、申准教授は次のようにまとめています。
●政治家の背景(政策関心、年齢)が多様化 ●ジェンダー立法の推進に貢献(家族法、DV法) ●育児・保育関連の予算が増加 ●軍事的予算減少、軍事的国家の行為も減少 ●議会の活性化(法案の発議、議員立法提出など) ●政治の文化が変化(夜の会議時間などの減少)
私たちが生きている実際の社会は、女性と男性が半々、そして、その中には障がい者、子ども、LGBTなど様々な人で構成されています。政治の役割は、こうした多様な一人ひとりの暮らしを少しでもよくするためにあるのだと思います。そうであるなら、議会の中にも社会を反映するように多様な議員のバランスが必要ではないでしょうか。昨年成立した「政治分野における男女共同参画を推進する法律」の施行後に行われる区議会議員選挙。女性候補者にもぜひ注目してください。