「ごみは生活の縮図」—マシンガンズ滝沢さんのお話から—
日本一のごみ清掃員になろう!
3月4日、鷺宮区民活動センター運営委員会が主催する、護美(ごみ)フェスタ 第2弾「マシンガンズ滝沢秀一さんと笑って、楽しく考える!ごみ!!ごみ?」が開催され参加しました。
マシンガンズ滝沢さんはお笑い芸人としてだけでなく清掃員としても有名な方で、Twitterで日々ごみについての役立つ情報を発信されています。
2011年に清掃員となり、日本一のごみ清掃員になろう、目の前のことを一生懸命やろうと仕事を続けてきた滝沢さん。清掃現場の写真などわかりやすい資料を使いながらテンポよく進んだお話の中から、印象に残ったことをお伝えします。
ごみは嘘をつかない
●ごみには沢山の情報がある。ごみの捨て方、中身、量など、ごみはその人自身を表す。
●清掃員になった2011年当時、多かったのは100円均一のものだったが最近は少なくなっていて、今多いのは洋服。年末年始にも大量の洋服が出る。
●お菓子や栄養ドリンクのごみなど、一つひとつは小さな金額でも毎日消費すれば大きな金額になる。小さな消費が大きな消費につながっている。
●経験から、ごみをテキトーに出す会社は6年でつぶれる。理由を想像すると、愛社精神がないからではないかと思う。
●子どもの反応で、親が清掃員をどう見ているかがわかる。
●集積所とゴミ箱の区別がつかない人がいる。
*この指摘には大いに共感しました。地域のごみ集積所では、食べ物の袋や容器がそのまま捨てられている光景をよく見かけます。ごみの出し方だけでなく、リユース、リデュースを進めるためにも、ごみの収集から最終処分までをしっかりと学ぶ環境教育が必要ではないかと思います。
●海ごみの7〜8割は陸からのもの。
●調味料などもペットボトルのものがあり、ペットボトルが増えている。
家探しでは、ごみ集積所も要チェック!
●通りを挟んで、分別ができている地域とできていない地域に見事に分かれているところがあった。ごみの出し方は伝染する。
●分別がちゃんとできている地域は、コミュニティがしっかりしている。
●なので、家探しをする時は集積所を見ることにしている。
●以前自分が住んでいるマンションのごみ集積所がとても汚かったので、一人で分別したりきれいにしていたら、半年後に住民の人たちのごみの出し方がかわった。一人の力で変えられる。
ごみの出し方は人に影響を与えている
●生ごみの水分を絞らないまま冷凍して出す人がいるが、解凍するとごみ汁が出て燃えにくくなる。重油をかけたり時間をかけて燃やしていることを知ってほしい。
→生ごみの水分はできるだけ絞ってから出す
●おもちゃなどの電池を抜かずに出す人がいて、突然動きだしたりすることがありびっくりする。
→電池は抜いて出す
●瓶、缶、ペットボトルの収集日に水筒を出す人がいる。魔法瓶を瓶だと思っているのかもしれないが、水筒は瓶ではない。
→自治体の分別に沿った出し方で出す
●スプレー缶で収集車が燃える事故が起きている。
→できるだけ中身を使い切り、他のごみとは別にして中身がわかるようにして出す(中野区は陶器・ガラス、金属ごみの日に出す)
●モバイルバッテリーなどに使用されているリチウムイオン電池は発火する。簡単に買えるが処理に困るものでもある。
→一つひとつの端子部分(機械に接触する部分)に絶縁テープ(ビニールテープ)を貼って出す
中野区は以下を参考にしてください
乾電池の拠点回収
●可燃ごみか不燃ごみかで迷う場合、9割ルールで考える。例えば、9割が可燃なら可燃ごみとして出す。
●資源として出す紙は、牛乳パック、ダンボールなど、大まかな種類ごとにまとめて出してほしい。
「タダだからもらう」はやめる マインドを変えよう!
●秋になると米が捨てられる。新米が出るので古い米が捨てられるのはないか。
●ただのものは大体捨てられる。
●ワンピース食べただけのピザが捨てられていた。1枚サービスでもらったけど、食べられなかったのではないか。
●とりあえずもらう、タダだからもらうのはやめる。
3Rから4Rへ
滝沢さんは最後に、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRにもう一つのR、Respect(リスペクト)を加えたら、ごみ問題は解決するのではないかと言われました。
まだ食べられるものや着られる衣類が捨てられたりしているのは、顔の見えない関係の中にある社会だからではないかと。顔の見える人が作ったものなら簡単に捨てようとは思わないはず。作った人や作られたものへのリスペクト、ごみを回収する人のことを思うとか、リスペクトがあれば少しずつ社会は変わると。
滝沢さんのお話は、知らないこともありとても勉強になりました。一方で普段見かけたり経験していることも多く、そうだそうだと心の中で相槌を打ちながら納得できるお話でした。
会場には子どもたちも大勢参加していて、身近なごみ問題を自分ごととして考えることができたのではないかと感じました。
このような楽しく学べるイベントを企画してくださった鷺宮区民活動センター運営委員会のみなさま、地域の皆様に感謝申し上げます。