「中野区の待機児童を減らす会」からの公開質問状への回答

「中野区の待機児童を減らす会」から、4月26日の区議会議員選挙への立候補予定者に公開質問状が送付されてきました。減らす会は2013年4月の入園申込で、一次不承諾だったお母さんたちが始めた会です。中野区に対して認可保育所の定員増を求める要望書や署名を提出したり、保活交流会などを行っています。減らす会のブログには他の立候補予定者の方や政党の回答がアップされています。

http://ameblo.jp/shimamo-a/entry-12011371141.html

中野・生活者ネットワークも回答をお届けしましたので、全文を本ホームページにもアップします。

★以下質問状への回答

「中野区の子育て政策についての公開質問状」回答

2015年4月4日

中野・生活者ネットワーク

 

1.中野区の待機児童対策は今後どうあるべきとお考えでしょうか。

3月20日に厚生労働省が公表した「全国の待機児童の状況(2014年10月1日)」を見ると、保育計画を策定する市区町村(2014年4月1日時点で待機児童数50人以上)は、全国で98自治体ですが、そのうち4割近くが東京都の市区であり、特に「待機児童対策」は東京の問題と言っても過言ではないと思います。

そして中野区は、22番目、かなり高い方です。皆さんのグループが、区に要望書を提出されたことも報道等で拝見しました。この時期、働く(または働きたいと思っている)方のご苦労を思うと、安心して子育てと仕事を両立できるよう、サテライト型の保育所なども検討するなど緊急一時的な対応と、かつ、長期的に待機児対策について考える必要があると思います。

 2.このままでは学童保育も待機児童増加が心配されます。今後の学童保育はどうあるべきとお考えでしょうか。

保育所の待機児童が多いということは、学童保育の利用者も当然増えることが予想されます。しかし、言うまでもなく、定員を弾力化して、とにかく待機児を出さないことを優先させると、子どもたちの遊び・生活環境が懸念されます。学童保育については、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」(2014年4月30日)や「放課後児童クラブ運営指針」(2007年の「ガイドライン」を改訂)が新たに策定され、質の担保が求められています。

他の自治体を見ると、定員や設備基準を重視するため、待機児童が出ても仕方がないとするところと、とにかく待機児を出さないために安易な対策を行うというところと、極端にいうと2種類の事例があるように思います。しかし、どちらか-ではなく、地域の実情に合った工夫で、質も、そして量も確保することが基本ではないでしょうか。

生活者ネットワークの子ども施策の考え方は、子どもの利益を最優先に、子どもにとって居心地のいい居場所、子ども自身が選べる居場所を保障することです。中野ネットのメンバーは、子どもたちの多様な居場所作りとして「放課後子ども教室」事業でプレーパークを10年続けています。

子どもたちの放課後の居場所がどうあるべきか、子ども目線も踏まえた慎重な議論が必要だと思います。

3.以前中野区役所職員より、数年後から中野区の子供の数が減っていく推定のため、子供の減少を前提に子育て政策をすすめていく、と言われました。ご自身もそう思われますでしょうか。

「中野区子ども・子育てアンケート調査」の結果報告(2014年3月)を見ても、「未就労者の就労意向は、『すぐにでも、もしくは1年以内に就労したい』66.7%」など、子どもの数の減少と、保育ニーズ等は比例しないことは明らかです。むしろ、社会全体で、どう子どもや子育て家庭を支援するかが問われる時代です。長期的な視点で、子どもへの資源配分を進めるべきです。(この「資源」は、ただ財政と公共施設だけでなく、多様な社会資源という意味です。)

 4.中野区の子育て政策について、現在の問題点や、こう変えていくべき、というお考えがあればお願い致します。

子ども・子育て支援新制度のスタートで、施策は大きく変わろうとしています。課題も多いと考えますが、区の子ども・子育て会議などを機能させ、地域の課題を明らかにし、子育て・子育ちを応援できるような地域社会にすべきだと思います。そのためにも、前述の質問にもつながりますが、行政の考えはともかく、それに対して、議会がどう考えるか、それが問われているのだと思います。

以上