良好なみどりを増やすことは、洪水対策につながる

講師の九州大学大学院教授 島谷幸宏先生と

学習会「“あまみず社会”…って、なに? グリーンインフラのまちづくり」

1月20日(土)、生活者ネットワーク 環境部会主催の学習会「“あまみず社会”…って、なに? 〜グリーンインフラのまちづくり〜」に参加しました。(生活者ネットワークには他に子ども部会、福祉部会があり、私は福祉部会に所属しています)

一昨年二子玉川で開催された「第9回雨水ネットワーク全国大会2016 in東京」に参加し、そこで初めてグリーンインフラという言葉を知りました。目からうろこ状態でした。コンクリートで造るインフラだけでなく、樹木や地面が持つ浸透力など自然が持つ力を生かしたグリーンインフラは、アメリカでは都市の雨水管理システムとしてすでに政策になっているということでした。

雨水が下水管に流れ込む合流式下水道の23区では、豪雨時などに下水管がオーバーフローし、マンホールから水が吹き出たり、汚水が川に流れ込んで東京湾を汚しています。これまで一般質問で都市の雨水対策を取り上げ、下水管に流すのではなく、浸透させる、雨水を溜めて活用することなどを提案してきましたが、この浸透させるという考え方がグリーンインフラの一つです。

島谷先生は、現在は雨水を下水管に集中して処理しているが、世界の流れは分散型だとおっしゃっています。例えば、1時間100ミリの降水量の場合、1軒当りにすれば10センチでも、それが集中して5軒分になれば50センチ、10軒分になれば100センチになるから問題だなのであって、集中型でなく分散型であれば、それぞれの場所で一時貯留したり、浸透させることで水害を防ぐことができるということです。雨水が下水管に流れ込み地下に潜ることで、問題が見えなくなっていることも問題だと指摘されています。

また、落葉樹林、農地、常緑林、前庭植栽、芝地、グランド(裸地)、アスファルトなど、土地利用別の浸透能の調査結果などから、列記した順番に浸透能が高いこともわかっています。みどりを増やすことで、洪水を防ぎ、蒸発散によってヒートアイランド現象を防ぎ、大気汚染を抑制するなど、環境、健康増進などへの効果もあります。従来のグレーインフラにはない多機能性を持っているのがグリーンインフラです。

昨年の第3回定例会でグリーンインフラの推進について一般質問しましたが、「次世代の都市像の実現に寄与する」ものだという答弁がありました。中野区でのこれからのまちづくりにおいて、グリーンインフラの考え方を活かしたものにしていけるよう、提案をしていきたいと思います。