どんなに障がいが重い子でも、仲間のなかにいることで変わる
1月27日(土)、障がい児通所施設の「おでんクラブ」を見学させていただきました。医療や医療機器の発達で、重い障がいを持ちながら在宅で暮らす子どもたちが増えています。こうした医療的ケアの必要な重症の心身障がい児が通える区内の施設は、区立の「子ども発達センターたんぽぽ」「療育センターアポロ園」「療育センターゆめなりあ」と民間の「おでんクラブ」があります。このうち、放課後等デイサービスがあるのは、たんぽぽ、ゆめなりあ、おでんクラブです。
写真の「重症児ガール ママとピョンちゃんの きのう きょう あした」は、最近一気に読んだ本です。医療ケアが必要で、てんかん発作もあるお子さん「ピョンちゃん」との日常をお母さんが綴ったもので、本の著者・福満さんは、おでんクラブを運営するNPO法人なかのドリームの理事を務められています。おでんクラブは、昨年から見学したいと思っていた施設ですが、「重症児ガール」に出会ったことで背中を押されたように感じ、本を読み終えた後すぐに見学をお願いしました。
当日は副理事長の佐藤浩子さんから、開設に至る経緯や現在の運営などについてお話をお聞きした後、放課後デイサービスを見学しました。5人の子どもたちを前に、訓練士の方が元気よく歌ったり踊ったりしていました。風船でつくった鬼を一人ひとりの顔に近づけたり、話しかけたりすると、自分も踊りたそうに身体を動かしたり、声を出して笑ったり、何か言いたそうに伝えようとしてくれたり、一人ひとりをよく見ていると、それぞれの気持ちの表し方を読み取れます。
ある男の子はおでんクラブに来た当初、窓から外を眺めてばかりいましたが、仲間と一緒に過ごすうちに、こうしたプログラムに参加するようになったそうです。佐藤さんは「どんなに障がいが重くても、仲間といると変わるんです」とおっしゃっていました。日々、子どもたち一人ひとりと丁寧に向き合っているとわかるのだと感じました。
重心児の通所施設には看護士の配置が義務づけられていて、おでんクラブには2人の看護師さんがいます。一人のお子さんに看護師2人がかりで、医療ケアをしていました。でも人件費は1人分だけしか出ないので、経営的には厳しいそうです。
見学の翌日、「都がモデル事業 医療的ケア児の支援強化」の新聞記事がありました。来年度から、医療的ケアが必要な子どもの自宅に、看護師が訪問する拠点を増やすためのモデル事業を始めるというものです。佐藤浩子さんの言葉が頭の中をよぎりました。子どもたちが仲間と一緒に過ごすことの大切さです。医療的側面への支援とともに、孤立しないための支援についても充実させていく必要があると思います。