市民の声で押し返したぞ! —次期介護保険制度の改正について—

「ケアプラン有料化」「要介護1、2の生活援助の地域事業への移行」は見送り

前回11月15日の投稿(「介護の社会化」を後退させるな—次期介護保険制度の改正に向けて—)でお知らせした改正の問題点について進展がありました。

前回の投稿では、主な問題点として以下4点を挙げました。
①自己負担2割の対象者拡大
②ケアプランの有料化
③要介護1、2の訪問介護、通所介護の保険外し
④福祉用具の一部をレンタルから買い取りに

このうち、②③については11月下旬、見送りになったと報道がされました。

ケアプラン有料化、先送りへ 厚労省、介護保険見直しで
介護保険2割負担の対象拡大へ、ケアプラン有料化は見送り…厚労省方針

また、④については、11月18日に開催された「史上最悪の介護保険改定を許さない!院内集会」の場で、「NPO法人高齢社会をよくする女性の会」の樋口恵子さんから、撤回されたと報告がありました。

「利用者本位」の介護保険制度に変えていこう

利用者、当事者、介護事業者、介護従事者、あらゆる方面から反対の声が上がっていた次期改正内容のいくつかを押し返すことができました。
しかし、利用料の2割負担については残念ながら改正方針に盛り込まれるようです。見送りになった項目についても、先送りになっただけで問題の根っこが絶たれた訳ではありません。

経済性を重視した介護保険制度の維持では、創設時に掲げた介護保険の理想は後退するばかりです。目先の保険給付削減は、結果的に重症化につながり、さらなる事業費の増大を招きます。

今こそ、介護、ケアに対する考え方を、真の意味での自立支援と利用者本位に変えていき、尊厳あるケアを安心して受けられる制度にしていかなければならないと思います。

11月18日に開催された「史上最悪の介護保険改定を許さない!院内集会および記者会見」での抗議声明の読み上げ。左から大熊由紀子さん、樋口恵子さん、上野千鶴子さん